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HGUC ザクI スナイパータイプ その1

 このキットを「バンダイお得意の金型流用」と切って捨てる人もいる。が、私は別にそれはそれで良いと思う。たとえ、ゲームにちょいと登場するのみで一般的な馴染みが薄くてもいい。一度商品を開発した以上、それを有効活用して少しでも開発費用を回収する速度を上げようと望むのは、無理からぬ企業の姿勢だろう。問題は、流用元となるキットがその利用に相応しい評価を得たものかどうかだ。

 結論からいうと、HGUCザクというキットがそれに値すると私は思わない。HGUCシリーズ中でも違和感のある低い等身、既発製品(たとえばグフ)との表現面での極端な不整合性、すなわちのっぺりし過ぎてまったく面白みのないディテール、大きすぎる肘関節、過剰に太い前腕、ポリキャップと接続ピンが丸見えのショルダーアーマーなど、弱点を言い始めればキリがないだろう。

 必要以上にギミックを優先させた結果、動きも形も破綻した肩と足首の関節。ザクIIで不評だったフロントアーマーを含む腰回りの改善と肘の二重関節化がザクIで実現されたものの、反面、肘関節がABSパーツの挟み込みになるなど、塗装派からみればただ面倒が増えただけといえなくもない。

HGUC ザクI スナイパータイプ パチ組み

頭部と胸部、バックパックと武器、右膝のデザインが変更されたが、HGUCザクI/IIの弱点はそのまま


 使い古された旧型機を再利用した機能特化型機体、という設定はかつてのMSVを彷彿とさせるし、大型のエネルギーバックパックを背負ったデザインも悪くない。その証拠に、取扱説明書に描かれたカトキハジメ氏のデザイン画はそれなりに格好いいのだ(いつものことだけど)。しかし、いかんせん元キットの解像度が低い。それにつられたのか、エネルギー・バックパックのディテールも垢抜けず、とても2000年代のキットとは思えない大味な内容となっている。これはもう、惜しいとかそういうレベルではない。

 などと、そこまで貶めるならなぜ買ったと自問せざるを得ないが、正直、これほどまでにアレなキットだとは思っていなかったのだ。ただ、買ってしまったものは仕方がない。後ハメ加工やディテールアップなどと報われないことはハナっから諦めて、サクッと簡単に組み立てるつもり。これしか持っていないならともかく、まだ組み立てを待つキットが山ほどあるのだ。どうせなら、努力が報われるキットに注力した方がいい。

 もし、スナイパータイプのコンセプトはそのままに、いっそMGザク2.0を素体として企画されていたなら、結構な名作になった可能性は捨てきれない。ところで、ザクIのVer.2.0って出ないね、そういえば。
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